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パリ、イル・ド・フランスのトラム



 T3号線のCitadis 402型  T4号線のAVANT型

   フランスはパリの首都で、「花の都」の異名で知られる世界的な文化都市です。フランスの政治・経済の中心地であるほか、様々な研究教育機関も集まり、世界中から留学生を集める都市でもあります。大都市圏であることから、周辺エリアを含めてパリ首都圏を構成しています。パリ首都圏に相当するのが、イル・ド・フランス地域圏(州に相当)であり、パリ市と7県から構成されます。パリ首都圏の交通政策は、イル・ド・フランス地域圏を単位として実施されます。
 先進の気風がある町で、早い時期からトラムを導入していました。19世紀に馬車鉄道から始まり、電気鉄道が実用化されていない時期から蒸気トラムを導入、さらに大気汚染公害の懸念からメカルスキーシステムと呼ばれる圧縮空気駆動のトラムを大量導入しました。最後は電車方式となりました。様々な技術の見本市のような歴史を持ったパリのトラムでしたが、1930年代に全廃されてしまいました。というのは、先進の気風を持つパリ市は、1930年代には市内の鉄軌道完全立体化を断行したからです(パリ市内のSNCFの路線は、廃線のプチット・サンチュールを含めて踏切がありません)。そのために市内に14路線から成り立つメトロ網を1930年代までに構築したのと引き替えに、トラムを全廃したのです。現在のメトロ1~13号線の都心区間はこのときに成立したもので、メトロはトラムの代替路線という位置づけであったため、パリメトロは他の都市の地下鉄と比較してこまめに駅が設置されているのが特徴です。

 時代が下り、1980年代になるとモータリゼーションの反省からトラムの復権のムーブメントが起きます。渋滞を防ぐために1930年代には鉄軌道完全立体化を断行したパリ市でしたが、自動車交通量の爆発的な増加により既存の道路網がパンクしたのです。自動車交通量を減らし、公共交通にシフトさせなければパリの交通は行き詰まることが明白でした。そのために、パリは新しい鉄軌道網の整備に着手します。1970年代から80年代にかけて、フランス国鉄近郊線と乗り入れする急行地下鉄網(RER)が整備されます。さらなる鉄軌道網の充実のために求められたのが、外環状線的な路線の充実です。都心を経由せず、郊外同士を連絡する鉄道路線が必要とされましたが、メトロやヘビーレールでは過大設備と判断され、整備が遅れていました。そこで白羽の矢がたったのがトラムです。ちょうど、フランス政府も地方都市向けに最新技術を導入した新型トラム導入を推奨しており、パリ首都圏の外環状線的な路線に最適であると判断し、パリ首都圏でもトラムの復活が始まりました。こうして、1992年パリの北に位置するサン=ドニ市とボビニー市を結ぶ1号線が開業し、フランスでも3番目のトラム復活となりました。2006年にはパリ市内の路線として3号線が開業、国鉄のローカル線をトラム=トレイン化した4号線や、ゴムタイヤトラムの5号線・6号線などが加わり、2017年には10路線にまで増えました。移動需要が旺盛なパリ首都圏にあって10路線もあるため、パリ首都圏のトラムが全国ベスト1の乗客数を誇ります。イル・ド・フランスのトラムはRATP(パリ交通営団)の運営路線とSNCF(フランス国鉄)の運営路線に分かれますが、運賃制度や旅客案内は統一されています。



路線名 運営会社 概要
T1
RATP
Les Courtilles - Gare de Noisy-le-Sec

1992年に開業した、パリ首都圏復活第一弾のトラム。パリ北部の郊外を連絡する外環状線的な路線。部分低床車のTSF形が走ります。

T2
RATP
Issy-Val de Seine - Pont de Bezons

セーヌ川沿いの国鉄線をLRT化して1997年に開業。高級住宅街を走る景色のきれいな路線。Citadis302系の重連運用で、全長66mの編成は圧巻。

T3a
RATP
Pont du Garigliano - Porte de Vincennes

2006年にT3として開業。パリ市内に70年ぶりに復活したトラム。Citadis 402系の43m連接車が走ります。2012年の延伸区間のうち、北側は別系統となったので、T3a系統に改称。

T3b
RATP
Porte de Vincennes - Porte de la Chapelle

2012年に開業した3号線の延伸区間のうち、Porte de Vincennes以北は系統を分けたのでT3b線となりました。T3aとあわせて、パリの外環状線を形成します。

T4
SNCF
Bondy - Aulnay-sous-Bois

パリ東部の国鉄の近郊線をLRT化して2006年に開業。T4はSNCF経営で、交流電化なので交直流車のシーメンスAVANTO形が使われます。

T5
RATP
Marché de Saint-Denis - Garges-Sarcelles

パリ北隣の街、サンドニから北へ向かい、ピエールフィット=シュル=セーヌを経由してサルセルまで結びます。ゴムタイヤトラムのトランスロールの路線で、コンパクトな3連接仕様。既存の鉄道網ではカバー出来ない細かい需要を拾います。

T6
RATP
Châtillon-Montrouge - Viroflay-Rive-Droite

パリ南西部の郊外をまっすぐ東西に結ぶT6号線。T5号線と同じくゴムタイヤ式(トランスロール)ですが、こちらは6連接タイプの長い車体です。

T7
RATP
Villejuif-Louis Aragon - Athis-Mons Porte de l'Essonne

パリの南の郊外の足として、2013年に開業したT7号線。メトロ7号線をトラムで延伸したような格好の路線。路線はオルリー空港のターミナルビルの真下を通っており、空港アクセスの役割も併せ持つ。Citadis 302形のデザインは同時開業のT8号線と共通。

T8
RATP
Saint-Denis-Porte de Paris - Villetaneuse-Université /Épinay-Orgemont

パリ北部のサンドニ市を起点にY字型の路線として2014年に開業したT8号線。Y字型の路線から、Tram'Y(トラミー)の愛称で呼ばれます。路線は離れていますが、T7号線と同じデザインの車両を使用。

T11
SNCF
Épinay-sur-Seine - Le Bourget

2017年に開業した、急行トラム(Tram Express)第一弾。パリを取り囲むグランド・サンチュール(大環状線)のうち、貨物専用の北部区間の旅客化のために、LRT用の線路を増設して開業。なお、当路線だけは料金体系が異なり、カルネで乗車できない。





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|作成:2018年4月29日、最終更新2018年4月29日|


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