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ナンシーのトラム
-世界初のゴムタイヤLRT-

 ナンシーはロレーヌ地方の有力都市で、都市圏人口約26万人。ナンシー派芸術の拠点であり、19世紀のアール・ヌーボー運動発祥の地としても知られています。市内にはロココ調建築物が数多く見られます。
 ナンシーは、2000年に本格的な営業線として初めて新方式のゴムタイヤトラムを導入しました。これは、駆動をゴムタイヤ、案内を1本レールで行うことにより、トラムの建設費を安く押さえるための方式です。ボンバルディア社のTVRとロール社のトランスロールの2方式がありますが、ナンシーではTVRを採用しました。ナンシーの市内交通は従来トロリーバスとバスが担ってきましたが、トロリーバスの施設を改修してTVRの施設としました。そのため、パリの実験線やカーンでは、TVRはパンタグラフ使用ですがナンシーでは2本のトロリーポールを使っています。営業開始後、すぐにシステムの不良が見つかり、1年以上休業していましたが、2002年から運転再開となりました。

 都心部の区間では1本レールによるガイド走行、郊外部ではトロリーバスとして走行しています。乗り心地としては、当然ながらバスに近い感じはすますが車体モジュールはトラム用なのでトラムでもバスでもない、という感じです。モーター関係の走行音は完全にトラムのそれです。比較的安価な新しい都市交通システムとして注目されていますが、トラムに比べれば使いにくいところも多々あります。それに関しては「検証 ゴムタイヤトラム」の特集で解説します(改訂中につき公開休止)。ただし、あまりにも故障が多く、財政上やその他色々問題があり、ナンシーのトラムはとても成功事例とは言えません。2010年秋、フランス政府はTVRを導入しているナンシー市およびカーン市に対して、TVRは安全技術上欠陥があるため、2022年までに鉄輪式LTRまたはトランスロールなど他のシステムに置き換えよと通告しました。カーンは、2011年秋に鉄輪式LRTへの転換を決めましたが、ナンシーは結論が出ていません。製造元のボンバルディアがTVRの製造中止を決定しており、他のシステムへの変更をせざるをえない状況でした。なお、近年ナンシーは、二路線目にトロリーバスまたはCivisの導入を考えて架線の工事も行っていましたが、これもキャンセルし通常のBRTに変更されています。

【ナンシーのLRT基本データ】
運行担当事業者 ナンシー都市圏交通サービス
(ヴェオリア・ナンシー株式会社)
Service de Transport de l'Agglomération Nancéienne(STAN)
/Veolia Nancy
系統数1系統
路線延長 11km
停留所数 28
運転方式 案内軌条式(TVR方式)
/トロリーバス併用方式
車両数 25編成




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1,ナンシートラム路線図(2002-2008の路線図)
2,ナンシートラム・フォトアルバム
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関連項目

特集1:検証 ゴムタイヤトラム(改訂中につき公開休止中)
特集4:失敗事例の検証(改訂中につき公開休止中)



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|作成:2003年7月22日、最終更新2012年3月11日|


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